ご挨拶

ご挨拶

これまで相続の研究のためにたくさんの相続に関する本を読み、さまざまな相続対策セミナーや勉強会に参加したりしてきましたが、時々すこし違和感を覚えることがありました。

それは、「損をしない」という言葉をよく見かけること。

確かに、相続を考える時に「損をしない」という発想は間違いではないし、そのこと自体は良いことだと思います。また相続税の節税に関しても、国に税金を払うのは当然ですが、国が節税になる制度を準備しているので、節税をすることは間違いではないと思います。

ただ、相続対策セミナーで「損をしない」というだけの発想で開催されていることは、なにかすこし違和感を覚えるのです。

基本的に人生を卒業する方は、もちろん「損をしない」ことも大切ですが、相続対策を考える上で、何かそれ以上のことが大切ではないか、と思うのです。

それは、老後は幸せに過ごしたいと考えることや、自分の生きた証を残したいと考えることや、家族への愛情や想い、まごころを残したいと考えるのでは、と思うのです。

その延長線上に、財産を遺すことがあり、損をしない、という考えがあると思うのです。

 

とある相続相談のところでは、先祖代々の土地を残すことを強く否定されることもあります。

先祖代々の土地を残して相続税で苦しむよりも、今すぐ先祖代々の土地を売って、将来的に利益の生む土地を購入して、後世に財産を遺すことを勧めるそうです。

大切な先祖代々の土地を売りたくないから相談をしているのに、不動産業者のように売ることばかり推奨してくるそうです。

たしかに、人口が減少し高齢化が進む日本で、先祖代々の土地を残すことにより、将来的に相続税で苦しむことになるようであれば、それもそうかもしれません。

客観的に考えても、それも1つの正しい選択ではあると思います。

 

ただ、事業再生や事業承継を研究してきて不動産の本質を知る私たちにとっては、もうすこし工夫の余地はないのかという想いがあります。

その家系にとって、先祖代々の土地を守り家系の歴史を守ることが、どれだけの見えない価値があるかを考えれば、たとえ相続税で一時的に損をしても、それ以上の大切なものを守れると思うのです。

お金だけでは買えないものを大切にすることが、どれだけ尊いことなのか、どれだけ貴重な財産になるのか、それはお金しか見えていないとわからないと思います。

事業再生では、犠牲を払いながらでも、会社を守り、事業を守り、形のない蓄積された技術を守ることで、将来その会社が息を吹き返すことにつながり、さらなる飛躍と発展につながることがたくさんあります。

当研究所では、実際にそういった場合に、先祖代々の土地を守るために、いろいろな対策や提案をしてゆきます。

 

相続において100%正しい答えはなく、取捨選択の中で、それぞれの人の想いを大切にした答えを出してゆくことになります。

単に「損をしない」という発想だけで取り組むものではないと思うのです。

ただ一番大事なことは、人のこころや想いを大切にした相続ではないでしょうか。

私たちは、人生を卒業する人の想いを大切にし、そして家族を大切にしたいという想いを大切にする、そういった「人と、人の想いを大切にしたより良い相続対策」に取り組んでゆきたいと考えています。

 

一般社団法人 日本相続対策研究所 代表理事namae

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